以前英語を話さない流儀をご紹介しましたが、これって音楽業界についても言える事です。ひと昔前まで日本ではとにかく英語で歌って海外進出を行う時代だったんです。
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英語で歌って海外進出の時代は終わった?
80~90年代はとにかく英語詞だった
80年代から90年代にかけてよくあった流れが、英語詞による楽曲制作でした。海外戦略を視野に入れて原曲(日本語)と一緒にEnglish Versionとか、英語版とかいって英語詞をレコーディングするミュージシャンがたくさんいましたが、実際に海外で成功したのはごくごくわずかです。
これはもちろん日本語のままでは海外のマーケットに入り込めないからというのが一番の理由ですが、英語にしたからといって日本語なまりの英語を誰が聞くでしょうか?
かのX JAPANも言葉の壁が原因で90年代のアメリカ進出を断念したと言われています。その他、多くのアーティストが海外進出を目指し、失敗しています。その結果「海外進出版」とうたって逆輸入リリース、日本でヒットするといった意味不明な状況も散見しました。
でも、それも2000年中期くらいから変わり始めます。
アニメ主題歌への起用
日本に関していうとアニメ主題歌の起用が大きいです。90年代のアニメは結構、各国で訳された歌詞で歌われたりしていましたが、2000年以降は日本語そのままで放映されている国が多く、視聴者もそれを聞き、覚えます。
そして、海外コンサートともなれば、日本語で大合唱といった光景が珍しくなくなります。実際私がメキシコに友人を訪ねた際、彼の親戚の子供たちがNARUTOの歌を口ずさんでいるのを見て驚きました(もちろん日本語)。
ラルクアンシエルなんかも2000年以降の海外活動はアニメ主題歌による影響が大きいと思われます。バンドマンには重要なビジネスチャンスですね。
SNSによる拡散
きゃりーぱみゅぱみゅやBABY METALなどは、ウェブ上の拡散により人気に火が付いています。CD売上では国内でもトップとはいいがたいですが、国内外で高い認知度をほこります。彼女らの場合は日本語で歌う事を逆に強み・特徴にしており、ほとんどの楽曲が日本語です。
英語ネイティブ世代の台頭
でもなんだかんだ言っても英語圏のリスナーに向けて英語で歌う事のメリットは否定できません。
21世紀に入ってからはONE OK ROCKなどの英語ネイティブ(彼ら自身はネイティブスピーカーではありませんが)による、英語発音が壁にならないアーティストが登場しています。
さらに同バンドでいうと人気映画(実写版るろうに剣心など)とのタイアップなどによる効果で、海外の認知度が飛躍的に上がりました。前項の2つも合わせたプロモーションだとその可能性は無限大に広がります。
さいごに
いかがでしたか?時代が変わり、ただ英語で歌えばいいというわけではなくなりました。これからまた新しい形のアーティスト、ミュージシャンが出てくるのでしょうか?楽しみですね。
以上、参考になれば幸いです。